累犯障害者
「累犯障害者」のレビュー・感想

【障害者の犯罪はセーフティネット(福祉行政)がしっかりしていれば未然に防げる】
この本を読んで思ったことは、障害者の犯罪はセーフティネット(福祉行政)がしっかりしていれば未然に防げると言っても言い過ぎではないのではないかと思ったことだ。最後の章で触れていたが、日本人の2パーセントは何らかの障害を持って生まれてくる人の数だが、実際に障害者手帳を所持してる人がその数よりも大きく下回っている現実。早期に問題を発見し、対応をしていけば、もっと有効な治療方法や教育方法が見出せるのだが、著者が指摘するまではこういう問題は社会の恥部なのか、大手マスコミもひたすらに隠す事が物語るように...

【目をそらしても存在が無くなるわけでない】
「何をやっていたんだ!」
著者が最後に書いたこの一文にすべての思いが込められている一冊です。
今まで知ることの無かった知的障害者の受刑者の実態を垣間見た著者が、その根を深く掘り下げて白日の下に引きずり出した、知的障害者の犯した犯罪と、その当事者とその周辺事情について丁寧に書かれています。
普段は目をそらすことで当事者以外は知ることもない悲惨で(自覚が無い場合は特に)、救いのない中であがいているような事例が紹介されています。
その中にはマスコミも大きく(当初は)取り...

【とまれ、考えよ】
多くの話題が含まれており、そのどれもが安易な判断を躊躇わせる。
本書の示唆する問題の一つは、
「健常者基準の社会が障害者を触法行為へと追いやっている可能性」である。
人類における知的障害者の出生率が2〜3%であるというデータが正しいなら、
新受刑者の約三割が知的障害者であるというデータの意味は、重い。
著者は、自身の懲役経験を通じて直面した現実を起点に、このデータと向き合う。
本書には、
「知的障害者は犯罪率が健常者よりも高い」=「知的障害者は社会的...

【前作に続き、良書です。】
本書の第三章までは、かなり勉強をしている福祉行政関係者なら、今更何を書いているのかという気持ちになろう。もちろん、福祉行政を経験したことがありますなどと言うような輩には、分かる世界ではない。特に生きがいはセックスという下りは、昔、私が援助をしていた(この援助に特別の意味はない)彼女たちを久しぶりに思い出させてくれた。遠い昔になるが、キャバクラに行けば、ああこの子は中度の知的障害だなとすぐに判定ができるほど数多くの知的障害の女性が働いていたのである。
しかし、第四章以降は、噂には聞いて...
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